というタイトルで、「月刊 税理」(税理士向けの月刊誌)の特別企画がありました(P2〜27)。
(なお、「民主党政権で税制はこう変わる!」掲載の座談会を再録したもの(H21.9.3収録)、との記載があります)
出席者は、民主党の、藤井裕久、仙石由人、峰崎直樹(参議院議員)、古川元久、司会は、三木義一(立命館大学法科大学院教授)、志賀櫻(弁護士)です。
読み終わった感想は、「大きな政府」「経済統制指向」は、変わらないな、というものでした。
また、部分部分は納得できるところもあるが、全体のデザインを描いていないので、部分最適化に終わるのだろうな、とも感じました。
以下、基本的に反対部分を述べます。
まず、藤井さんが、「租税政策、財政政策、経済政策など、その全部を含めて、国の資源配分の問題なのです。実際、国の資源を作ってくださるのは民間部門の方です。それを公的部門がどれだけ頂戴するのかというのが税制であり、それをどのように配分するのかというのが財政であって、それを国が行うのか地方なのかというのが地方分権政策です。すべては、やはり資源配分の問題だと思います」(P2)と述べています。
全くその通りだと思います。
この後も、「資源配分」という言葉が、何度も出てきます。
私も、「資源配分」が経済や税制のキーワードだと思っています。
ただ、民主党のその資源配分の考え方や方法に問題があると思います。
(バラマキ自民も同様)
このすぐ後に藤井さんは、「国の資源配分の中で税制をどう考えるかということは、一つは、汗を流して働いて稼いでいただいたものはなるべくその人の手元に残るのが、よい税制であることは間違いないのです。」(P2)と述べています。
なぜ、「汗を流して働いて稼いでいただいたものはなるべくその人の手元に残るのが、よい税制であることは間違いない」のでしょう。
一生懸命働くことはもちろん重要ですが、付加価値をどれだけつけることができたか、ということはもっと重要です。
ものづくり偏重、証券金融は不労所得で一段下、という考えがあるような気がします。
仙石さんは、「知識経済とか、ソフト化とか、情報産業化とか、情報経済化という言葉で語られているところを伸ばしていくというか、ここで人々が働いて稼いで、経済の牽引車なり成長センターなりにしていくことが一番重要な課題だと思っています。」(P3)といっています。
特定業種を例に挙げていて、ここに政府が資源配分をすることをほのめかしているようにも見えます。
その直後に「税制はもっと簡素で、わかりやすいものでなければいけない。」(P3)といっています。
これはその通りなのですが、例えば上記の特定業種を優遇する税制をとったとすると、簡素からはだんだん外れていきます。
藤井さんは、「与党税調の言いなりになるような人間でなく、見識のある人間と政治家で政府税調を形成し、与党税調はなくすということです」(P6)「そこには、例えば、日本経団連のような利益代表は一切入れない。そのメンバーになっていただく方は、立派な税理士とか公認会計士、学者などで構成して・・・」
「立派な税理士とか公認会計士、学者」も立派な利益代表だと思いますが。
古川さんは、P8で「代表なくして課税なし」といっています。
日本経団連も、議論の当事者にいれたほうがいいんじゃないの?
古川さんは、「・・・新しい年金制度は、所得に応じて保険料を納めていただき、納めた保険料に応じて給付を行う・・・」。「・・・正確な所得の把握などできないといわれます。・・・もし、これまでの政府与党が言ってきたように、所得の把握が正確にできていないのならば、今までいい加減な所得把握で所得税を徴収していたと言うことを認めているのと同じことです。」
現実問題として、正確な所得の把握ができていたとはいえないと思います。
古川さんがこの後述べているように、納税者番号制度は必須でしょう。
ただ、またこれも現実問題として所得の正確な把握は、どこまで把握するかにもよりますが不可能に近いです。
税務署の人数を大幅に増加させて、徴収コストを上げても、それに見返るだけの収入増がみこめるのでしょうか。
P19で年末調整をやめて確定申告にする、ともいっています。
理想は確定申告です。
でも、税務署はどうなるのでしょう。
所得課税より消費税にもっていった方がよいと思います。
P17以降で、給付金付き税額控除について述べています。
これはよくわかりません。
ただ、「・・・また生活保護のレベルまでは落ちていなくてもがんばっている人たちを、給付金付き税額控除で下支えして・・・」(P17)とあります。
行うなら、生活保護制度を止めて、税額控除額を上げて、これ一本にした方がよいように思います。
個人住民税の翌年課税について、藤井「仕事を辞めた人には違和感がある。」古川「翌年に所得が何もないのに、税金だけガバッとくる。」藤井「それはおかしいですね。」(P21)
何がおかしいのかわからない。
住民税の分を残しておけばよいだけのこと。
翌年確定申告する所得税もおかしいんですかね。
古川「ある税の専門家の方から、遺産課税にして、控除をなくし、その代わり1割の相続税を課税することとしたら、5兆円近い税収が上がるという話を聞いたことがあります。これが事実なら、例えば、これを高齢者医療の財源にすることも一案だと思います。」(P24)
相続税に関しては、これに限らず増税してやろう、という意識が強いようです。
以前も書きましたが、相続税は廃止してほしいです。
まあ、税理士は仕事が増えて喜ぶんでしょうけど。
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